GAME REPORT
2戦目の相手はノジマ相模原ライズ。昨年のレギュラーシーズンでの成績はわずか1勝と低迷したが、その唯一の勝利は我々ファイニーズから奪ったものである。要所でミスや反則を多発してしまい、終始優位にゲームを進められてしまった非常に悔しい試合であった。そのリベンジマッチという意味でも、また、真の意味で次戦富士通への挑戦権を獲得するためにも、絶対に負けられない戦いであった。舞台は前節と同じエキスポフラッシュフィールド。前日の雨も上がり、暖かな日差しと冷たい風とが入り混じる晩秋独特の陽気に包まれる中、ライズのキックオフによって試合は開始された。
最初のファイニーズオフェンス。2プレー連続で相手の激しいプレッシャーを受け大きく陣地を後退させられる。サードダウンロングのシチュエーションとなったが、QB#19コーディのロングパスに対して相手は反則を犯してしまい、それに助けられる形でフレッシュを獲得する。その次のプレー。左から右へのランフェイクのあと、そのままフィールド右方を駆け上がったWR#26永見へのパスが通る。相手ディフェンスはランフェイクの動きから一瞬目を離してしまい、気付いて戻ってくるも間に合わない。永見は快足を飛ばしてそのまま69ヤードを走りきりタッチダウン。最初のシリーズでファイニーズが先制した。(7-0)
続くファイニーズディフェンス。この試合から出場してきた新外国人QBを中心としてランパス共にバランスよく展開されてしまい、ゲインを重ねられる。しかし、相手QBがパスを投じようとしたところ、これを読んでいたDB#20木村がインターセプト。ビッグプレーによって相手の反撃を断ち切ることができた。
このチャンスを活かしたいファイニーズであったが、反則やサックなどによって思うようにゲインできない。逆にこちらもパスを投じたところで相手守備陣にインターセプトされてしまった。反撃を阻止したいところだったが、パスやスクランブルでロングゲインを許しゴール前まで攻め込まれてしまう。最後は中央をランで押し込まれてタッチダウン。同点に追いつかれてしまった。(7-7)
第2Qになっても相手オフェンスのパスとスクランブルを止めることができない。次々とファーストダウンを獲得され、敵陣まで侵攻される。かろうじてタッチダウンは阻止できたものの、42ヤードのフィールドゴールを決められ逆転を許してしまった。(7-10)
リードされる展開となったが、ここでディフェンスから悪い流れを変えてくれる。相手QBがフィールド後方に投じたロングパスを木村がこの日2度目のインターセプト。反撃のチャンスを得た。ここまで連続でサードダウンアウトに終わっていたオフェンスだったが、コーディからWR#18三木やWR#21オヌワーにパスが通り立て続けにファーストダウンを獲得する。最後はWR#80南本に36ヤードのパスが決まってタッチダウン。流れをものにしたファイニーズが逆転に成功した(14-10)。そしてこの点差のまま前半は終了。リードを保ったまま折り返した。
後半最初のファイニーズディフェンス。パスに加えて前半は止まっていたランプレーまでもが出されるようになり、勢いづいた相手オフェンスにゴール前7ヤードまで攻め込まれてしまう。逆転のピンチを迎えたが、ここで相手QBが投じたパスをDB#2中川がインターセプト。前節においてもエンドゾーン内でインターセプトを決めたディフェンスのキーマンが、ここでも同様にビッグプレーで相手の反撃を断ち切ってくれた。
しかし、この試合は終始相手オフェンスを止めることができなかった。次のシリーズでもランパス共に大きなゲインを許してしまう。ゴール前20ヤード地点でのフォースダウンギャンブルは止めたかのように見えたが、プレー中に反則を犯し新たなファーストダウンを獲得されてしまう。最後は8ヤードのパスを決められてタッチダウン。第4Qに逆転を許してしまった。(14-17)
残り時間7分で迎えたディフェンスも相手の攻撃を止めることができない。怒涛のラン攻撃にジリジリと侵攻を許し連続でファーストダウンを獲得される。オフェンスに反撃の機会を与えることもできないまま無情にも時計の数字はゼロに。前半のリードを保つことができず、無念の逆転負けとなった。
リベンジを誓って臨んだ試合であったが、昨年同様非常に悔しい敗戦となってしまった。スタッツを見てみると、ラン獲得ヤードは相手がおよそ200ヤードなのに対し、こちらはマイナスヤードと大きく差をつけられた。前節でも相手に止められていたランオフェンスがこの試合でも改善することができず、パスに頼るリスキーなオフェンスを展開せざるを得なかった。逆に相手は大きなリスクを犯すことなく、こちらの2倍もの攻撃時間を消費することで反撃のチャンスすら許さなかった。ディフェンスは3つのインターセプトを奪うなど要所でビッグプレーも生まれたが、ほとんどのシリーズでロングドライブを許しており、最後まで相手オフェンスを止められぬまま試合を進められてしまった。また、こういったギリギリの攻防では少しのミスが命取りとなるのだが、攻守蹴それぞれで不甲斐ないミスが重なってしまい、それがシビアに勝敗へと結びつく結果となった。我々はチームとしてまだまだ弱い。そう自覚せざるを得ない試合であった。
しかし、落ち込んでいる時間はない。負けはしたもののまだJapan X Bowl進出への可能性は残されている。この敗戦を受け止めチームとしての課題を改善し、さらに成長した姿をフィールドで示したい。次戦、絶対王者富士通との戦いで今シーズンのファイニーズの全てを出し切る。そのためにできることを、この残されたわずかな時間の中で精一杯やっていきたい。
NEXT GAME HIGHLIGHT
ノジマ相模原ライズに14対17で敗れたたファイニーズ。リーグ戦最終節は四連覇中の富士通フロンティアーズとの対戦になる。
富士通オフェンスはRB#29のグラント選手に加えて、RB#2ニクソン選手も昨年の怪我による登録抹消から復帰しており、2人が交互に出場をしている。タイプの違うRBが交代で出てくることで、よりランオフェンスに脅威が増している。また、QB#3バードソン選手を中心としたパスオフェンスも健在であり、ラン、パスを織り交ぜたバランスアタックは昨年以上に脅威となるだろう。ファイニーズディフェンスは前節のノジマ戦でラン獲得198ydを許している。勝利のためにまずはランディフェンスを改善することが求められる。そして、パスを投げざるを得ないシチュエーションに持っていき、前節のように相手ボールを奪うことができれば勝機が見えてくるだろう。
富士通ディフェンスは、オフェンス同様どのポジションも強力だが、中心となるのはRBとの両面となる#2ニクソン選手とDB#40アルリワン・アディヤミ選手であろう。特にアディヤミ選手はデビュー以来、常にオールエックスに選ばれており、その卓越したパスカバー能力はエックスリーグ一番と言っていいだろう。他にも各ポジションにオールエックス級の選手を揃えており、穴の少ない非常に強力なディフェンスである。ファイニーズオフェンスはIBM戦、ノジマ戦ではランを止められている。パスオフェンスは比較的好調なだけに、これまで苦しんでいるランオフェンスをどれだけ改善できるかが勝利の鍵を握るだろう。
ジャパンエックスボウル出場のためには負けられない試合、ぜひとも応援のほどよろしくお願いいたします。