GAME REPORT
第2節の相手はオービックシーガルズ。どのポジションにおいても多くのタレントを擁するスーパーアスリート集団を関西に迎えて、気温が35℃を超える厳しい残暑の中、ファイニーズのキックオフで試合は開始された。
まずはオービックオフェンス。最初のランプレーは大きなゲインを許さなかったが、2プレー目に40ヤードのロングパスを決められて一気にファイニーズ陣に侵攻される。だが、その後の攻撃はDB#29中村のパスカットなどでファーストダウンの獲得を阻止。フォースダウンで相手はフィールドゴールを狙ったもののこれを失敗し、最初のシリーズを無得点で切り抜けた。
対するファイニーズオフェンスのQBは#11糟谷。オービックディフェンスの激しいプレッシャーに晒されながらもWR#26永見やWR#82横山へのパスなどで着実にゲインを重ねていく。敵陣30ヤードまで進んだところでスペシャルプレーを敢行。OL#78齋藤にボールが渡った後、寄ってきたオービックディフェンスの裏に抜け出たWR永見へロングパスを展開。OLが投げたとは思えない綺麗な放物線を描いたボールはエンドゾーン内でフリーとなっていた永見のもとへ。先制のタッチダウンかに思われたが、プレー中に反則がありタッチダウンは幻となってしまった。結局このシリーズはパントに終わるのだが、ここから流れは完全にファイニーズへと傾く。
続くオービックオフェンスの1プレー目はプレーアクションパス。DL#92伊藤の激しいラッシュに対して相手QBは無理な体勢からパスを投じる。そのボールをDB#1ショーンがインターセプト。敵陣30ヤードからの絶好のチャンスを得る。タッチダウンこそ取れなかったものの、K#12山崎が45ヤードのフィールドゴールを決めてファイニーズが3点を先制した(3-0)。まだまだ勢いは止まらない。
続くオービックオフェンスはサードダウンロングのシチュエーションでパスを選択。だが、ここでDL#9ローリングスが猛烈なサックを浴びせファンブルを誘発する。このボールをDB#40久高がリカバーし、すぐさま攻守交代となった。
その後のオービックオフェンスに対してもDB#2中川やDB#20木村が立て続けにインターセプト。これによってファイニーズディフェンスは4シリーズ連続でターンオーバーを奪うことができた。しかし、やはり相手は強豪オービック。再三のチャンスを得るものの、強力なディフェンス陣を前に得点することができない。前半終了間際には逆に32ヤードのフィールドゴールを決められ、同点で前半を折り返す(3-3)。
後半に入ると自らのミスにより流れはオービックへと変わりだす。自陣40ヤードでファイニーズオフェンスはパスを選択。激しいプレッシャーの中、QB糟谷はサックされる直前でボールを投げ捨てたかにみえた。しかし、審判はファンブルの判定。グラウンドを転々としているボールをオービック守備陣が拾い上げそのままエンドゾーンへと持ち込まれてしまい、思わぬ形で逆転されてしまう(3-10)。
その後のシリーズでもK山崎のパントをオービックディフェンス陣にブロックされ、そのままリターンタッチダウンを許してしまう。前半は粘れていたファイニーズディフェンスであったが、後半は一気に勢いづいた相手を止めることができず3TDを献上。結局3-38という大差での敗戦となってしまった。
ビッグプレーも多くあったが、それ以上に不用意なターンオーバーや反則が目立ち、自ら勝機を手放す結果となってしまった。対戦相手のオービックは前半の苦しい展開においても、集中力を切らさずプレーし続けることによって好機が来るのを粘り強く待つことができていた。一方、我々ファイニーズは後半の苦しい展開に対して我慢強く粘ることができず、ズルズルと相手のペースに引き込まれてしまった。個々人の強さだけではなく、メンタル面においても実力差が出てしまった試合であった。今後の試合においても同様の苦しい展開になることは大いにありうるだろう。この敗戦での教訓を活かし、そういったシチュエーションにおいてもどれだけ崩れることなく集中してプレーできるか。次戦、早くもファイニーズの正念場を迎えることになる。
NEXT GAME HIGHLIGHT
前節のオービックシーガルズ戦に3対38で敗れたファイニーズ。第3節の相手は開幕2連敗からの巻き返しを狙うオール三菱ライオンズになります。
オール三菱は学生時代に関西学生、関東学生一部でプレーしていた選手が多数在籍しており、勢いに乗って力を発揮した時には手ごわいチームです。特に、QB#11齋藤圭選手は第2節の東京ガス戦では、得点こそ6点しかとれなかったものの、パス14/24回 262 ydの成績を収めており、そのパスオフェンスはファイニーズにとって脅威と言えます。ファイニーズディフェンスとしては前節で3つのインターセプトを奪ったDB陣と前節2サックを記録したDL#9カーデル・ローリングス選手を中心としたDL陣が活躍できるかどうかが大事になるでしょう。
一方、ファイニーズオフェンスは前節のオービック戦でラン31 yd、パス61 ydに抑え込まれてしまいました。特にランを完全に止められたことで、攻撃のリズムを作れなかったことが得点を奪うことのできなかった大きな要因となりました。オール三菱戦ではRB#44白神選手を中心としたRB陣及びそのランを支えるOL陣の活躍が勝利への鍵となるでしょう。 また、前節ではパントブロックやビッグリターンでモメンタムをオービックに持っていかれ、改めてキッキングゲームの怖さを思い知らされました。ミスをしっかりと修正し、次戦ではチームに流れを引き寄せられるか注目です。
1勝1敗で迎えた第3節、日本一のためには負けられない一戦、ぜひとも応援のほどよろしくお願いいたします。