GAME REPORT
我々ファイニーズの初戦の相手は東京ガスクリエイターズ。昨年は強豪のリクシルディアーズをオーバータイムの末に撃破してX1 Super入りを果たした非常に勢いのあるチームである。その原動力であるQB#6イカイカ・ウーズィーのパスとRB#27アンドレ・ホワイトのランをいかに止めるか、ここがこの試合の勝敗を左右するカギであった。
試合はファイニーズのキックオフで開始。K#12山崎丈路が蹴りこんだボールはフィールド場外へと飛び込みタッチバック。この日の山崎は計4回のキックオフの内、3回をタッチバックに持ち込むという非常に高いパフォーマンスを発揮してくれた。まずは東京ガスの最初の攻撃。2連続でRBホワイトのランを繰り出してきたが、DB#20木村俊基らディフェンス陣の集まりが早い。大きなゲインを許すことなくパントに追い込むことができた。対するファイニーズの最初のオフェンス。ゴール前12ヤードまで攻め込むも、QB#19コーディ・ソコールの放ったパスを東京ガスの守備陣にインターセプトされてしまい攻守交代。自らチャンスを潰してしまう。嫌な空気が流れ勢いが相手に傾きかけたが、次のシリーズでもディフェンス陣が奮闘する。DB#1ショーン・ドレイパーやDB#40久高平次がQBイカイカのパスをカットし、またしてもファーストダウン更新を許さなかった。続くファイニーズオフェンス。WR#81酒本和樹やWR#84金岡宗和にパスがヒットしファーストダウンを連続して更新、再びゴール前に迫る。ここで今年新加入のWR#21アルフォンソ・オヌワーへの5ヤードパスが決まりタッチダウン。ポイントアフタータッチダウン(PAT)のキックも決まって、ファイニーズが7点を先制した(7-0)。
第2Qに入り再びファイニーズのオフェンス。さらに追加点が欲しいところだったが、QBコーディがパスを投じようとしたところで東京ガス守備陣にサックされてしまいボールをファンブル。ゴール前25ヤード地点からのオフェンスを献上してしまう。ここはなんとか守りきってタッチダウンこそ防いだものの、フィールドゴールを決められてしまい3点を返された(7-3)。再び相手に流れを奪われそうになったが、ここでビッグプレーが生まれる。第2Q残り3分半でのファイニーズオフェンス。自陣40ヤード地点から新加入RB#44白神有貴にボールがハンドオフされると一気に中央を突破。東京ガス守備陣の3度のタックルをかわしきってそのままエンドゾーンまで走りきり、60ヤードのタッチダウンランを決める。傾きかけた流れを1プレーで引き戻し、東京ガスを突き放した(14-3)。しかし、相手もこのまま黙ってはいない。ここまで止めることができていたQBイカイカのパスが機能し始める。連続してダウン更新を許しドライブを継続されると、最後もQBイカイカが38ヤードのタッチダウンパスを決め、すぐさま点差を縮められた(14-10)。第2Q残り2分。時間が少ない中でファイニーズオフェンスはQBコーディのパスが冴え渡る。まずは新加入WR#7森悟への3連続パスが決まり、次々とファーストダウンを更新していく。さらに新加入WR#17三木達也やWRアルフォンソへのパスもヒットする。ゴール前1ヤードに迫ると、残り10秒で再びWRアルフォンソへのパスが決まりタッチダウン。前半終了間際に貴重な追加点をあげることができた(21-10)。
第3Qに入ってまず得点をあげたのは東京ガス。前半までとは違ってアップテンポのオフェンスから次々とプレーが展開されていき、ディフェンスの対応が間に合わない。フォースダウンギャンブルも決められてずるずるとゴール前1ヤードまで攻め込まれると、最後はQBイカイカが自らエンドゾーンに飛び込んでタッチダウン。2ポイントを狙ったPATはディフェンス陣が踏ん張って得点を阻止することができたが、5点差にまで追い上げられた(21-16)。このあたりからフィールドでは急に大雨が降り始め、お互いオフェンスの精度が低下していく。なかなかボールを進められない中で光ったのはK山崎のパントであった。後半のパント5回の内、3回が自陣10ヤード以内で攻撃権を渡すビッグパントとなり、東京ガスオフェンスにとっては非常に苦しい展開を強いることができた。 第4Qの最後のシリーズでは、この日ディフェンスでフル出場だった新加入DL#9カーデル・ローリングスがサックを決めて勝負あり。その後、ファイニーズオフェンス陣がきっちり時間を流しきってリードを保ったまま21-16で試合終了となった。
不用意なターンオーバーや相手のチェンジオブペースへの対応など、まだまだ多くの課題が残る試合ではあったが、初戦を勝利で飾ることができたのは大きかった。何よりこの試合のキーポイントであったQBイカイカのパスを成功率30%台に、RBホワイトのランを平均3ヤード台に抑えることができたのが勝利の要因のひとつだろう。K山崎のキックも見逃せない。後半は多くの時間を自陣内で安全にプレーすることができ、オフェンスも大雨の中でターンオーバーを生まないよう堅実な立ち回りを徹底することで相手の反撃を許さなかった。アメフトは陣取り合戦のゲームであるということを改めて認識させられた試合であった。
NEXT GAME HIGHLIGHT
先週の東京ガスクリエイターズ戦を21対16で勝利したファイニーズ。第2節の相手は春のパールボウルを制したオービックシーガルズとの対戦。昨年のリーグ戦での対戦は0対24で完封負けを喫しており、雪辱に燃える一戦となります。
オービックは数多くの日本代表級の選手が所属するタレント豊富なチームですが、その中でオフェンスのキープレイヤーとなる選手がQBのスカイラー・ハワード選手です。今年は昨年以上にチームにフィットしており、そこから展開されるプレーはラン、パス共に非常に精度が高く、ファイニーズディフェンスにとっては非常に厄介な相手と言えます。また、RBの李卓選手はクイックネスと強さを兼ね備えており、彼を中心として繰り出される強力なランオフェンスをしっかりと止めることができるかどうか、初戦では奪えなかったターンオーバーを奪えるかどうかがファイニーズの勝利の鍵をにぎるでしょう。
オービックディフェンスもオフェンスと同様に非常に強力な布陣です。その中でキープレイヤーなるのが、DLのBJことバイロン・ビーティ―・JR選手になります。昨年の対戦ではBJ選手に合計で5サックを許しており、チームとしても合計8サックを喫しています。BJ選手を含めたオービックDLをいかにフェイニーズOL陣が封じることができるかどうかが得点を奪うためには大事になってくるでしょう。
また、この試合でも東京ガス戦と同様にキックが重要な役割を担うと思われます。特にK山崎選手を中心としたパントユニットがオービックをフィールド奥深くに閉じ込めることができれば、勝利にぐっと近づくでしょう。
初戦勝利の真価が問われる強豪との一戦、チーム一丸となって勝利を目指す姿をぜひとも応援よろしくお願いいたします。